【WCS】ハリテヤマ入りスタン【INC7位】
INC最終7位
前書き
初めまして。てるるんと申します。
ダブルの記事を書くのは初めてとなります。とても文量の多い記事となりますが、どうか最後まで御付き合い願います。
さて、今回の構築はタイトル通りハリテヤマ入りのスタンダードパーティとなります。今の環境はポリゴン2、ギガイアス、カビゴンなどが蔓延しているため格闘タイプが非常に刺さっており、環境メタとしてトリプルバトルでお世話になったチョッキハリテヤマを採用してみました。
いざ実際に使ってみたところ、想定通り格闘弱点を倒していく動きをすることができ、INCで満足する結果を残すことができました。以下がその構築となります。
使用構築
配分・調整
ガブリアス
性格:陽気
努力値:H60 A244 S204
実数値:191-181-115-*-105-162
- ダブル補正地震で無振りカプ・コケコ確定1発
- 陽気ガブリアスのドラゴンクロー+相手の鮫肌によるダメージを高乱数耐え(93.6%)
- 陽気ガブリアスのライジンググランドオーバー(地震の地面Z)確定耐え
- 準速109族抜き
- 火傷、天候ダメージ意識のHP16n-1
個別解説
基本的に持ち物、技構成、配分で順を追って解説をしていきます。
カプ・コケコ
まず持ち物についてですが、WCSルールにおけるカプ・コケコは持ち物の自由度が高いポケモンであると感じています。
火力の底上げを目的とした命の珠や拘り眼鏡、エレキフィールドと合わせて多くのポケモンをワンキルできる電気Z、不意のスカーフ持ちや天候エースの前でも確実に1回の行動が保証される気合の襷、素早さの高さを活かした壁型の光の粘土などと、どのアイテムを持たせても一定以上の活躍が見込めると思います。
そのような選択肢の中で、この構築では電気Zを選択しました。採用理由は以下の3つが主な理由となります。
最初の「1.カプ・コケコと電気Zの相性の良さ」についてですが、素早さが高く、最低1回は行動ができそうなポケモンとZ技は、試合を有利に進めるうえでも非常にかみあっていると感じています。
その理由として、やはり素早さが高いポケモンにZクリスタルを持たせると縛れる範囲がぐんと広がるからです。特にカプ・コケコはゴルダックやドレディアと異なり、持ち物の予測をつけづらい点も追い風でしょう。
他にもZ技を使えずにゲームセットというケースも減るため、持ち物を有効に活かすこともできます。個人的には、基本的にZクリスタルを持ったポケモンがZ技を使うことができずに倒れてしまった場合は、それが負けに直結すると考えています。ひっくり返してみれば相手にZ技を使わせない動きができればよく、相手のZクリスタル持ち(定番では非トリル下の岩Zギガイアス、炎Zウインディ、水Zカプ・レヒレ)をこちらの電気Zカプ・コケコで上から叩けるといった点でも、カプ・コケコに電気Zを持たせることは理に適っていると思います。
二つ目の「2.この構築の立ち回りのコンセプト」についてですが、この構築は基本的に、初手に高速アタッカーである電気Zカプ・コケコとスカーフガブリアスを選出して相手のポケモンを1匹倒し、残数4vs3から有利なサイクル戦を仕掛けていきます。
高い瞬間火力を出し、ガブリアスと合わせて落とせる範囲を広げるためにもカプ・コケコに電気Zを採用しました。
また拘り眼鏡でも高火力の技を叩きこむことはできますが、ガブリアスが拘りスカーフを持っており、地震に巻き込まれないようにするために今回は採用を見送りました。
最後の「3.初手カプ・レヒレ、ウインディの増加」についてですが、これは先ほど述べた「2.この構築の立ち回りのコンセプト」を延長した話となります。まずは下記のダメージ計算結果を見てください。
*初手のケースを想定しているためミストフィールド状態、また範囲技はダブル補正込みとします。
(ケース1)カプ・レヒレに対する電気Zと珠の比較
電気Zカプ・コケコのZ10万ボルト
→175-152(H252 D12)カプ・レヒレ
- ダメージ:192〜228 割合:109.7%〜130.2%
珠カプ・コケコの10万ボルト
→175-152(H252 D12)カプ・レヒレ
- ダメージ:133〜156 割合:76%〜89.1%
A1段階下降スカーフガブリアスの毒づき
→175-130(H252 B4)カプ・レヒレ
- ダメージ:56〜66 割合:32%〜37.7%
(ケース2)ウインディに対する電気Zと珠の比較
A1段階下降ガブリアスの岩雪崩
→197-100(H252 B0)ウインディ
- ダメージ:52〜62 割合:26.3%〜31.4%
電気Zカプ・コケコのZ10万ボルト
→197-101(H252 D4)ウインディ
- ダメージ:145〜172 割合:73.6%〜87.3%
珠カプ・コケコの10万ボルト
→197-101(H252 D4)ウインディ
- ダメージ:97〜114 割合:49.2%〜57.8%
まず(ケース1)を見てもわかる通り、電気Zを持つことで一般的な耐久値のカプ・レヒレを確定で倒すことができます。
しかし珠カプ・コケコでカプ・レヒレ倒そうとした場合、ガブリアスの毒づきと合わせないと倒すことができず、カプ・レヒレに守られるケースや地面タイプに交代されるケースを考えるとリスクとリターンが見合わない動きをせねばなりません。
(ケース2)ではガブリアスの岩雪崩とカプ・コケコの電気Z10万ボルトの最低乱数を同時に引かない限り、HP特化ウインディを倒すことができます。ただしチョッキやミストシードを持ったウインディは倒しきることはできません。(なおガブリアス→カプ・コケコの順に行動するため回復系の木の実は発動しません)
これらからチョッキウインディ、ミストシードウインディ以外の初手カプ・レヒレ、ウインディに対して、比較的有利な対面になっていると思います。特にカプ・レヒレが10万ボルトZで落ちる択は見えているのですが、ウインディが岩雪崩と10万ボルトZで落ちる択が見えていないプレイヤーも多く、地面Z警戒でウインディをテッカグヤにノータイムで交代し、テッカグヤが電気Zで出落ちする試合もありました。
実際問題、地面Zガブリアスも環境に多く、相手の動きも理に適った正しい動きだと思います。しかし、Zクリスタルを持たせるポケモン次第では、そのような正しい動きも正しくない動きに変わってしまうのが初手ガブリアス、カプ・コケコの強みだと感じています。
補足ですが、例えば岩雪崩と10万ボルトZでウインディ集中をした際に、万が一、隣のカプ・レヒレに動かれたとしても3割の怯みの可能性が残るあたり、有利な択を押し付ける並びであると思います。
次に技構成に関してですが、一致命中安定技である10万ボルトとマジカルシャイン、先に述べたように味方のガブリアスに巻き込まれないようにするため守るは確定です。残りの1枠は悩みましたが、最近流行ってきたガラガラやトゲデマルの前でも使うことができる放電にしました。放電のおかげで拾った試合が3試合ほどあるので、この選択は間違っていなかったと感じています。
候補としては他に電気Zの威力を上げる雷、交代の際に相手に負荷を押し付けられるボルトチェンジ、トゲデマルやガラガラを削る目覚めるパワー地面などが挙がると思います。
最後に配分に関してですが、プテラやクロバット、カプ・コケコミラーを意識して最速に設定しました。そのうえで最大限の火力を得るためにC252振りです。残りの端数は、どのポケモンと並べても相手のダウンロードの結果が変わることはなく、物理よりの環境であるため防御に振りました。
ガブリアス
WCSルールではガブリアスに地面Zを持たせるのが主流ですが、この構築では拘りスカーフを持たせたガブリアスを採用しました。
同じガブリアスといえど、地面Zと拘りスカーフを持たせるのでは対応できるポケモンが大幅に変化するため、明確な理由を持って持ち物を選択する必要があります。ガブリアスに拘りスカーフを持たせるメリットとデメリットを踏まえたうえで採用した理由について説明していきます。
まず、ガブリアスに拘りスカーフを持たせる最大のメリットは、縛ることができるポケモンが大幅に増えることだと考えています。
具体例を挙げると、カプ・コケコやウツロイド、ゲンガーなどでしょうか。他にもある程度削れているキュウコンやフェローチェ、スカーフカプ・テテフ、スカーフバイバニラなどであれば上を取ってとどめを刺すことができます。列挙したポケモンらはフェアリー技や氷技を採用していることが多く、普通のガブリアスでは致命傷を負ってしまうところを、逆にスカーフで上から叩けるのは最大のアドバンテージであると感じています。
またS実数値243相当から岩雪崩を打てる点も大きなメリットです。
逆にガブリアスに拘りスカーフを持たせることのデメリットは、やはり、地震で拘ったために味方を巻き込んでしまうといったケースが頻発することでしょう。WCSルールでは地面が一貫している構築が多く、地震を打っていいのかどうか悩ましい局面に遭遇する機会も少なくないと感じています。
そこで地面無効であるテッカグヤとBの高いポリゴン2を採用したり、一番ガブリアスの隣にいるであろうカプ・コケコに守るを入れたりすることで、ある程度はデメリットを和らげることができるのではないかと考えました。
このような工夫である程度は地震を打ちやすい構築になると考え、またウツロイドやカプ・コケコへの処理ルートが全体的に少なかったため、結果的にガブリアスには拘りスカーフを持たせました。
技構成に関してですが、地震と岩雪崩は確定で入り、残りの2枠をカミツルギを焼くための火炎放射、コンスタントに火力を出せるドラゴンクロー、フェアリータイプの弱点をつける毒づきから選ぶことになると思います。構築としてカミツルギはそこまで重くなく、相手のガブリアスやカプ・ブルルにも手が出せるようにしたかったためドラゴンクローと毒づきを今回の構築では選びました。
補足になりますが、ドラゴンクローを切ったスカーフガブリアスはワイドガード持ちギガイアスに詰められかねないので、その点でもドラゴンクローは重要な技であると感じています。
最後に配分ですが、相手のガブリアスの前で自由に動けるガブリアスであってほしかったためドラゴンクロー+鮫肌スリップダメージ耐えという最低限の耐久値を確保しました。そして一時期増加した意地っ張りスカーフカミツルギを抜けるところまで素早さを振り、余りを攻撃に割きました。そうするとちょうどダブル補正地震でカプ・コケコを落とすことができる火力を確保できます。
最近増えてきたスカーフガブリアスのミラーを意識してSに振りきるのも悪くないと思います。
ウインディ
この構築のウインディには拘り鉢巻を持たせました。その理由については、先述した通りこの構築は積極的にサイクル戦を仕掛けていく構築であり、サイクル戦において相手に大きな負荷をかけたいからです。さらにメイン技のフレアドライブだけでなく、高耐久ノーマルタイプに刺さるインファイト、優先度2から放てる神速など、火力指数が上がれば上がるほどアドバンテージを大きく得られる技を覚えるのもひとつの理由となりました。
またウインディ自身の特性もサイクル戦に向いているため、拘り鉢巻による技固定のデメリットもそれほど気ならないことも採用に繋がりました。
技構成については、メインウェポンであるフレアドライブ、ポリゴン2やカビゴンに致命傷を負わせるインファイト、削れたポケモンにとどめを刺す優先度2の神速は確定で入ると思います。
またこの構築はカプ・コケコを採用しておりエレキフィールド下で戦う機会も増えると考え、最後の枠はワイルドボルトを選択しました。水耐性が0の構築であり、水タイプの処理速度を上げる必要があったためこの選択は正しかったと感じます。
配分については、「耐久に振り延命させることで特性の威嚇をできる限り活かしたい」といった考えと、「フレアドライブやインファイトなどといった火力と引き換えに短命になってしまう技で相手に致命傷を負わせたい」といった相反する考えがありました。最終的には、耐久特化やAS振りなどの極端な配分にするのではなく、ある程度の耐久を確保したうえで攻撃、素早さに振り分けるといった欲張りな配分に決定しました。
明確なラインとしては、ガブリアスの地震やウツロイドのパワージェムといった持ち物補正のない一致弱点技を1発は耐えられる程度には耐久に割き、またカプ・テテフなどの耐久値が低いポケモンを一撃で倒せる程度には攻撃に割きました。
ウインディミラーも頻発するため、素早さにも努力値を割かなければならず、結果的にかなり欲張った配分になったと感じています。しかし使用感は悪くなく、威嚇としての役割も相手を崩すエースとしての役割も遂行できる配分でした。
テッカグヤ
テッカグヤには定番の持ち物である食べ残しを採用しました。この構築のテッカグヤには「受け」や「詰め」といった役割を持たせたいと考えており、半減技を受けた時の小さなダメージの回復や、詰める際での重要な回復ソースとしての働きを狙いとしています。HPを半分回復する木の実の採用も面白いですが、宿り木の種と守るを駆使して相手を詰める型である点から、このテッカグヤにおいては食べ残しの方が優れていると感じています。
技構成については、詰める駒という役割から守ると宿り木の種は確定。そしてメインウェポンとしてヘビーボンバーかラスターカノンを選択し、最後の技枠は火炎放射やニトロチャージ、身代わり、毒々などからの選択になるでしょう。
メインウェポンに関しては、威嚇や火傷によって威力が削られることもなく、また鮫肌によるダメージを受けないラスターカノンはたいへん魅力的でしたが、ウツロイドやカプ・テテフの処理速度の上昇のためにヘビーボンバーを採用しました。
また最後の技枠はカミツルギやテッカグヤミラーにも対応させるために火炎放射を選びました。毒々を採用すると食いしん坊の鈍いカビゴンやポリゴン2などといったポケモンにも比較的安易に勝つことができますが、カビゴンは火炎放射の追加効果で焼けばよく、ポリゴン2はハリテヤマで見ればいいため、火炎放射のほうが結果的に役に立つであろうと結論付けました。
配分についてですが、最低限の耐久を確保したうえで残りはミラー意識の素早さに振りました。しかしINCに潜り、いざ蓋を開けてみると耐久値が物足りなく、この配分は失敗であったと感じました。
また現環境ではテッカグヤミラーも少なく、テッカグヤの素早さを高めに設定したときのリターンはあまり大きいとは言えないため、ビーストブーストで素早さ上昇を狙うとき以外は耐久指数を上げるのが正しいと感じました。
ハリテヤマ
今回は突撃チョッキを持ったハリテヤマを採用しました。突撃チョッキを選んだ理由はゴルダック・ペリッパー入りの雨パーティに対応してもらうためです。
この構築自体、水耐性が0である構築なゆえに高火力の水技は数値で受けなければなりませんでした。特にゴルダック・ペリッパーの並びに対しては、こちらから天候を変える手段もなく、ワンサイドゲームになりうる可能性も否定できません。そこでそのような事態を防ぐために、ハリテヤマに突撃チョッキを持たせて無理やり水Zハイドロポンプを耐えようと思案しました。
対ゴルダック・ペリッパーの並び以外にも、眼鏡カプ・レヒレや非サイコフィールド下のカプ・テテフの前でも動けることに繋がったのも優れた持ち物であると感じています。
技構成に関しては、縛りの関係を崩したりターンの遅延に役に立つ猫騙し、高火力且つ命中安定技であるインファイト、役割を持ちたいカビゴンやポリゴン2、ガラガラの持ち物を無力化できる叩き落とす、そして守るの崩し以外にも単に先制技としても使えるフェイントで確定しました。他にヘビーボンバーなども候補に挙がりましたが、そこまでヘビーボンバーを打つ機会もないと考え、今回は採用を見送りました。
また努力値配分についてですが、ハリテヤマなどの地面等倍の鈍足ポケモンは最低でもガブリアスの地面Zまでは耐える必要があると考えています。言ってしまえばガブリアスの地面Z耐えは、カポエラーのジュエルインファイト耐えに似た、耐久ポケモンのひとつの指標であると考えています。そのうえで、最悪カプ・テテフの前でも動けるように特防に振り、残りを攻撃に割きました。この特防ラインはしっかりと雨下でのゴルダックの水Zハイドロポンプを耐えることができるラインであり、先述した通りゴルダックに対して強気に動かしていくことができます。
最後に、ハリテヤマと鈍いカビゴンが対面したケースについてダメージ計算を踏まえて解説をしていきます。
なお仮想敵は【ダブルレート2042&2032 最終1位&2位】メガボーマンダ+ポリゴン2の記事の、244-170-116-*-130-31(H68 A196 B244)カビゴンを参考にさせていただきました。
①ハリテヤマのインファイト
→鈍い0積みカビゴン
- ダメージ:212〜252 割合:86.8%〜103.2%
- ダメージ:57〜68 割合:23.3%〜27.8%
- ダメージ:140〜168 割合:57.3%〜68.8%
④鈍い0積みカビゴンの恩返し
→インファイト1回後のハリテヤマ
- ダメージ:139〜165 割合:62.3%〜73.9%
⑤鈍い1積みカビゴンの恩返し
→インファイト1回後のハリテヤマ
- ダメージ:208〜246 割合:93.2%〜110.3%
①を見ればわかる通り、何も条件がないときに対面すればハリテヤマはカビゴンを低乱数で倒すことができます(計算機によると18.8%の低乱数)。
もしカビゴンがインファイトを耐えて鈍いを積んできたとしても、①と③を合わせて144.1%~172.0%のダメージを与えられることがわかります。鈍いを持ったカビゴンは体力を半分回復する木の実を持っていることがほとんどなので、ワンキルできない場合はMaxHP150%と考えてよく、この場合は高乱数で落とせることがわかります。なお、これは計算機によると75.0%の高乱数であり、1回目のインファイトを耐えない確率まで含むと79.7%の高乱数で倒せることになります。
④を見てもわかる通り、鈍いを積まずに攻撃してきた場合でもハリテヤマの残りHPが166以上あればしっかりと耐えることができます。
補足ですが2段階防御が下がっていても、ハリテヤマはこのカビゴンの恩返しを確定で耐えることができます(ダメージ割合は83.4%〜98.2%)。つまりハリテヤマのHPが満タンであればBDが一段階下がっていても高乱数で突破することが可能です。
では逆にインファイトから入らず、叩き落とすから入った場合はどうなるでしょうか。
上記の行動をした場合、2ターン目のインファイトでは、(ケース3)の②と③足してもわかる通りカビゴンを倒すことはできません。しかしその返しの恩返しでは⑤より62.5%の乱数で落とされてしまうことがわかります。
つまりカビゴンのHPが満タン、ハリテヤマの残りHPが166以上で、且つお互い能力ランク変化なしで体面をしたとき、叩き落とすから入るよりインファイトから入った方が勝てる確率が高くなることが結論付けられます。
ただし、これはエモルガムに掲載された配分のカビゴンを仮想敵として計算を行っているため、実際のレートとは異なる可能性も十分にあります。さらには威嚇の有無、対面したときのお互いのHP残量によっては正しい動きも変わってくるため、柔軟な思考が必要です。あくまでひとつの指標としてお使いください。
しかし対戦前にダメージ感覚を掴んでいるのと掴んでいないのではアドバンテージに大きな差が生まれるため、このようなダメージ計算は大いに意味があるものだと考えています。
今回の記事では少しでも構築の使用感、考え方が伝わるように記載させていただきました。
ポリゴン2
持ち物に関しては特に言及することはありません。進化の輝石です。
技構成に関してはガブリアスを確定で倒す冷凍ビーム、水タイプやテッカグヤへを削る10万ボルト、攻撃を受けた後の回復や相手を詰めるための自己再生、追い風パーティやトリックルームパーティの返しとなるトリックルームの4枠で確定しました。基本的な技構成ですが、盲目的にトリックルームを採用してしまったのは失敗であったかもしれません。
この構築にはポリゴン2やテッカグヤ、ハリテヤマといった高耐久ポケモン、ウインディの威嚇、ハリテヤマの猫騙し、カプ・コケコの守るといったターンを稼ぐことができる要素が多く詰め込まれており、相手の追い風やトリックルームに対してこちらもトリックルームで応戦していく必要性はあまり感じられませんでした。
さらに追い風状態でも素早さ実数値が122未満であればこちらのスカーフガブリアスが上を取っており、また、トリルエースのギガイアスやコータスにハリテヤマが強いこともあり、ポリゴン2のトリックルームを使わずともS操作を絡めた構築には不利を取りませんでした。
しかしS操作が構築に入っているというだけで心理的な負担が減ることは、トリックルームのひとつの強さであると感じました。
最後に配分に関しては、ガブリアスを意識した調整を行いました。まず、ガブリアスを冷凍ビームで確定1発を取れるところまでは火力は必要であると考えました。そして物理耐久に多く努力値を割くために特殊耐久は最小限に抑え、その分がっつり防御に振りました。防御に厚いポリゴン2は、味方のガブリアスの地震に巻き込まれても大きなダメージを負うことはなく、想定通りスカーフガブリアスの地震の打ちやすさに繋がったと感じます。
ハリテヤマやテッカグヤは特殊耐久が高い配分となっており、物理受けとなるポケモンが欲しかったため、この配分は構築のバランスを取るうえでも上手くかみあったと感じています。
以上がこの構築の個別解説となります。
基本選出
基本選出は、ほとんどの試合は初手にガブリアスとカプ・コケコを繰り出していました。
裏選出についてですが、これは相手に応じて残りの4匹から選択します。
それを各ポケモンごとにまとめます。
- テッカグヤで詰むポケモンが多い
- カプ・テテフ、カプ・ブルル、ミミッキュがいる
- ウツロイド、ギガイアスがいる
- カミツルギ、メタグロスがいる
- カビゴン、トリトドンがいる
- ガブリアスがいる
- 相手の攻撃を受ける必要がある
- ターンを稼ぐ必要がある
- ポリゴン2、カビゴン、ムーランドがいる
- ギガイアスがいる
- ジバコイルがいる
- キュウコン、サンドパン、バイバニラがいる
- ガラガラがいる
- イーブイ、Z持ちと思われるポリゴンZがいる
ポリゴン2
ざっと書き出してみましたが、このような要素を考えて刺さっていると感じた2匹を選びます。また、羅列した要素は全て「~がいる」といった要素でしたが、逆に「~がいない」といった要素も考えなければなりません。具体例を挙げると、相手にジバコイルがいるだけで選出しづらくなるテッカグヤを思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。
そのような要素を足し合わせて一番相手のポケモンを倒せるであろう2匹を選んでいました。
また1匹は相手の攻撃を受ける駒が必要であると考えているため、ポリゴン2かテッカグヤは必ずどちらか選択していたと思います。
得意な構築と苦手な構築
基本的にはカプ・レヒレ、ウインディには負けることはなかったです。テテフのいない追い風構築やカビゴン、ギガイアスを立てる構築にも有利に試合を進めることができました。
逆に苦手な構築は避雷針入りです。INCで負けた試合の6割が相手に避雷針のポケモンが入っていました。やはり電気Zを通して試合を始める構築であるため、その電気Zを空かされるのは非常につらく、負けへと繋がりました。
あとはカプ・テテフ入りにも不利でした。カプ・テテフは極力動かれたくないポケモンですが、こちらの構築にはカプ・テテフを上から倒せるポケモンがいなく、必ずと言っていいほど1回は動かれてしまうところが厳しい試合になる要因となりました。
総括
基本的に、この構築は初ターンにマウントを取り、数の暴力で圧倒すればいつの間にか勝っている構築でした。その分初ターンでの動かし方が重要になっており、どちらに電気Zを打つか、またガブリアスは何で拘ればいいか、などと択の強さが求められます。しかし択負けをしてしまったときでも裏には高種族値のポケモンが控えているため、全体的に安定していました。
またカプ・コケコとガブリアスというポケモンを採用しているため、放電麻痺や岩雪崩怯みなどの運で勝負を決めた試合も多く、とてもストレスフリーに試合ができたと感じています。運を押し付ける構築は使い得であると感じます。
相性補完もそこそこ綺麗であり、必要な要素も詰まっているため自信作が組めたと感じています。
戦績
2017 International Challenge February
マスターカテゴリ 第7位
最終レート1872 34勝5敗
後書き
ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも自分の考えを伝えられたらな、と思います。
ぶっちゃけここから先はもういいです。拙い文章にも関わらず、目を通していただきありがとうございました。
さて今回のINCは開催2日目が内田真礼の2ndLive、3日目がAqoursの1stLiveという非常に詰まったスケジュールの中で行いました。1日目は12戦消化して終わりにしたのですが、もちろん2日目と3日目の午前は潜ることができず、Aqoursのライブから帰宅した直後にDSを開き、徹夜で対戦を行っていきました。
2日連続のライブで肉体的に限界を迎えてる中、精神を削りながら戦ったINCは二度と忘れることはないと思います。しかしそのような状況の中でも内田真礼さんから頂いた元気、またAqoursから頂いた感動を思い返し、なんとかある程度誇れる結果を残すことができました。紛れもなく内田真礼さん、またAqoursのおかげです。
疲れたので終わりにします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この時点で14135文字なのですが、ほんとうにお付き合いいただき感謝です。
PS
ちなみに素早さが高いテッカグヤを使った理由は、配分を変えるのを忘れたからです。
あれS1のカグヤが蔓延したときに、カグヤミラーを意識した上から身代わりを張る、カグヤが多い環境&身代わり採用前提の個体とか絶対に言えねぇ…
PSのPS
ポリゴンは控えめにした方が数値が1つ高くなります。
指摘ありがとうございます。